葬儀の風習「逆さ事」とは


 逆さ事とは、葬儀の際に故人に対して通常とは逆の方法を取り入れる事をいいます。

葬儀とは、普段とは違い非日常時にいとまなれる行事なので、逆さ事であの世とこの世を区別するという意味も含まれます。

 逆さまにする風習は魔除けのためでもあり、死者の世界が現世の裏返しになっているという配慮からともいわれています。また、故人は亡くなっても近くに彷徨っていると考えられて、その方に向けて自身が亡くなったという事実を伝える為にあえて普段とは逆さな事をするという説もあります。

 逆さ事には、逆さ着物・逆さ屏風など物に対して逆さにするものがあります。他には、故人を綺麗に洗う湯灌の際もお湯を足元から逆にかけるというものもあり、儀式の一つでもあります。

 現代では不吉と思われて良くないイメージを持つ方もいらっしゃいますが、古くからの風習は亡くなった方の成仏を手助けするためという意味合いも含まれます。

 また、逆さ事という風習も絶対ではないので気にされない方や、地域によってはどんどん風化していくものです。

 昔と現代では変わっていくものもあれば、変わらず大事にされるものも多くありますので、親族や身近な方を頼られて考えていくことをおすすめします。