「妊婦が鏡を持つ」風習について


 昔から妊婦が葬儀の参列する際、鏡を持ち歩くものと言われています。これには様々な説がありますが、葬儀場や火葬場に妊婦が行くと「生まれてくる子供に霊が寄る」「あの世に連れて行ってしまう」など縁起が悪いとされる言い伝えがあります。

 そこで、古来より邪悪な物を跳ね返す力があるとされてきた鏡を使い、死の穢れを跳ね返して子供を守るという風習が生まれました。

 しかし科学的な根拠はなく、こうした言い伝えは迷信であり、妊婦が葬儀に参列しても問題はありません。悪い言い伝えを聞くと恐れてしまいますが、迷信が生まれた背景も様々だと考えられます。

 今と昔では医療の発達が違いますので、ご遺体からの感染症などのリスクを回避する為や、忙しい妊婦が葬儀場で気を遣わさない為なども理由としてあったかもしれません。子供を守るという考えから、重要性が高い風習だったと言えます。

 現在はこのような風習を知らない方が多いでしょうが、あくまでも気持ちの問題ですので少しでも不安のある方は鏡のパワーを借りてもいいと考えます。

 やり方としては、鏡を服とお腹の間に忍ばせて鏡の反射部分を外向きにします。向きにする理由として、邪気を反射して祓う意味があります。鏡を腹巻やガードルで押さえると落ちる不安はなくなります。間違いはないのでそれぞれ自由な方法で試されることをお勧めします。